接触式と非接触式3次元測定機
3次元測定機には2種類あることをご存在でしょうか?
3次元測定機には大きく分けて、2つの種類があります。
- 接触式3次元測定機
- 非接触式3次元測定機
接触式3次元測定機
接触式3次元測定機とは、プローブ(専用の測定肢)を計測箇所に接触させ、座標や寸法を計測する装置のことを指します。代表的なものとして、門型や多関節アーム型等が挙げられます。
非接触式3次元測定機
非接触式3次元測定機は、3Dスキャナ等で対象の形状をスキャニングし、取得した形状データから各種寸法を測定する装置です。代表的なものとして、レーザースキャン式やCCD式等が挙げられます。
接触式3次元測定機も非接触式3次元測定機も、従来のアナログ計測より高精度な測定ができるほか、これまで計測が難しかった複雑な形状の測定が可能といったメリットが挙げられます。どちらにも優れた点、苦手な点があり、対象や環境、要求精度等に合わせて正しく使い分けすることが重要です。
3次元測定機の導入で解決できる課題
- 金属部品やパーツ製作等の受入検査を測定担当者のスキルにかかわらず、ばらつきなく行うこと
- 複雑な形状をした部品の加工および検査を短時間で行うこと
- 遺跡や出土品分析等を、ヒューマンエラーなく記録すること
- 既存部品を基に、時間をかけず試作品の製作を行うこと
そのため、自動車業界や航空業界をはじめ、重機や建機を取り扱うメーカーや治具等の生産設備を設計・製作を行うメーカー、鉄鋼、土木、建築、重工業、ガラスメーカー等、製造業界全般に広く導入されています。
3元次測定機の3つのメリット
- 立体の複雑な形状の評価・測定が可能
- 測定する場合に熟練度や高度なスキルは必要なく、測定担当者によって検査結果が異なるといったばらつきの低減および測定精度の向上
- 検査結果が自動出力される等、プロセス改善に貢献
3次元測定機は高精度かつプロセス改善に活用できる装置として、これまでアナログ式な測定を行っていた業界に浸透しつつあります。
しかし一方で、デメリットも挙げられます。
3次元測定機の3つのデメリット
- 計測範囲に制限がある
- 計測器の移動ができない、もしくは労力を要する
- 費用が高額になる
特に据置型の3次元測定機は、専用の検査室の維持費がかかるほか、3次元測定機が設置されている検査室へ測定物を運ぶ手間や労力がかかることになります。
また、多関節アーム型は広範囲が測定できないといったデメリットがあります。