クラスAサーフェスとは何か — G0からG3までの連続性と、その確かめ方

クラスAサーフェスは見栄えの話ではなく、検証できる幾何形状の状態です。G0からG3までの連続性の違いと、ゼブラ・曲率コームでの確かめ方を実務の視点で解説します。

クラスAとは、面を褒める言葉ではありません。幾何形状がその状態にあるか、ないか、それだけです。成立の条件は三つ同時です。プログラムが求める次数の連続性(実務上の基準はG2、反射が継ぎ目を露わにする箇所ではG3)、形状に沿ったパッチ構造、そして視覚解析に耐えること。以下は、それをどう作り、どう確かめるかの話です。

 

クラスA、A面、Strak — 呼び名は違っても同じ仕事

スタジオや地域によって呼び方が変わります。クラスA、A面、テクニカルサーフェシング、ドイツ語圏ではStrak(シュトラーク)。指しているものは同じです。製品の見える形を担うサーフェスの集合で、曲率連続性で構築され、寸法だけでなく光の下でどう振る舞うかで判断されるデータのことです。

ドイツ語の方が実態をよく表しています。Strak は造船に由来する言葉で、船体のフェアリング — 線が素直に通るまで引き直す作業 — を意味します。装飾ではありません。整えることです。

実務上の帰結をはっきり書いておきます。この分野が存在する理由そのものだからです。寸法は正しく、公差もすべて通り、組み付けも完璧で、それでも安っぽく見えるサーフェスは存在します。反射が横切るどこかで曲率がつまずいているからです。この不具合はCADのビューポートには映りません。ショールームの照明の下で、あるいは最初のプレス写真で現れます。

連続性の段階 — G0・G1・G2・G3

連続性とは、隣り合う二つのサーフェスがどう出会うかを表す言葉です。各段階は下の段階を含みます。

  • G0 — 位置連続。二つの面が接しています。隙間も重なりもありません。約束されるのはそれだけで、継ぎ目で形が急に向きを変えることがあり、目には折れ線として映ります。
  • G1 — 接線連続。継ぎ目で方向も共有します。手で触れた折れ感は消えますが、目には残ります。境界の両側で曲率が違うため、反射が境界を越えるときに幅が急に変わるからです。
  • G2 — 曲率連続。継ぎ目で曲率の値まで一致します。反射が途切れずに越えるようになります。自動車の見える面、および高級製品の外装における実務基準がここです。
  • G3 — 曲率変化率の連続。継ぎ目で曲率が一致するだけでなく、その変化の速さまで揃います。長い光源の下にある大きなパネルでは、G2でもハイライトが横切る箇所にわずかなちらつきが残ることがあります。G3はそれを消します。

G0・G1・G2・G3の各段階におけるパッチ境界のゼブラ解析。G0では縞が切れ、G1では折れ、G2では滑らかに越え、G3では流れまで保たれる

同じ境界を四つの連続性で見たもの。これはレンダリングではなく、検査です。

図中の表記:G0=位置連続(継ぎ目で縞が切れる)/G1=接線連続(縞は合うが折れる)/G2=曲率連続(縞が滑らかに越える)/G3=曲率変化率の連続(越えたうえで流れも保つ)

 

覚え方としてはこうです。G1は手を満足させ、G2は目を満足させ、G3はカメラを満足させる。

なぜG2が基準で、G3が常に良いわけではないのか

G3はG2より高くつきます。パッチ数、構築時間、そして後から形を変える難しさ、いずれの面でもです。その代わり、特定の場所では目に見える差を生みます。長いショルダーの通り、ルーフからボディサイドへの移行、大きな単曲率パネル — 連続したハイライトが境界を越えて長い距離を走る場所です。

一方で、小さなフィレット、短い移行部、誰も撮影しない面では、ほとんど何も買えません。どこでもG3を要求することは、製品を変えずに費用だけを増やすやり方です。

正しいかたちは、多くの完成車メーカーの基準がすでに記述しているとおりです。全体はG2、G3はそれに見合う移行部に指定する。PSH Designでは標準をG2とし、お客様の基準が求める箇所、または形状がそれを必要としている箇所でG3を構築します。そしてどこをどちらで作ったかを、データをお渡しする際に明記します。

連続性はどう確かめるのか

一つの検査でクラスAが証明されることはありません。連続性はまず数値で成立させ、次に目視で確認します。両者が食い違うことがあるからです。数値公差を通った境界が、ライトトンネルの下で出てしまうことは珍しくありません。

数値による確認は、境界が指定された隙間・角度・曲率偏差の公差を満たしているかを見ます。Aliasであれば境界ごとの連続性評価と、重複面・極小面・短いエッジまで拾うモデル全体のチェックがこれにあたります。これらは速く、省略できませんが、通ることは下限であって基準ではありません

視覚解析こそがサーフェスを実際に判定する場です。

  • ゼブラ縞。平行な縞をサーフェスに反射させます。G0では縞が切れ、G1では合っても折れ、G2では滑らかに越え、G3では越えたうえで縞のすぼまり方まで保たれます。
  • 曲率コームと断面。コームは継ぎ目で段になるべきで、跳ねてはいけません。境界で急に突き出るのは、数値は通ったがサーフェスは通らなかったという意味です。
  • 診断シェーディング — ハイライトの流れ、等角線、ライトトンネル。完成したパネルが指向性のある光の下でどう振る舞うかを再現します。平らな箇所、沈んだパッチ、制御点が密集した領域は、クレイに出る前にここで出ます。
  • モデル全体の曲率シェーディング。境界ごとではなく、形全体として整っているかを見ます。

数値検査を通り、ライトトンネルで落ちるサーフェスは、まだ完成していません。私どもの経験では、数値はきれい、ハイライトは悪いというこの組み合わせが、「クラスA」と説明されて届くデータに最も多く見られる状態です。

ゼブラ表示のサーフェス上でCross Section Editorを開き、クラスAの連続性を評価するPSH Designのサーフェスエンジニア

連続性を実際に確かめている様子。ゼブラ表示のサーフェスの上にCross Section Editorを開いています。ハノイのPSH Designスタジオ。

 

自動化できないのはパッチ配置

解析ツールを開く前に、データの構造そのものが、そのサーフェスがハイライトを保持できるかどうかを語っています。

要点は三つです。

  • 境界は形に沿わせる。パッチの縁はキャラクターラインに沿って、特徴の周りを回って走らせます。形を横切らせません。ハイライトの通り道の真ん中を切る境界は、いずれ表に出る欠陥です。
  • 密度を上げるのは曲率が実際に変わる場所だけ。形を無理に合わせるために足したパッチは、構築ではなく修理です。必ず出ます。
  • 制御点を流す。制御点の列は形の上を整った格子として動くべきです。密集した、ねじれた、間隔の不揃いな制御点は、シェーディングでは問題なく見えてゼブラで落ちるサーフェスを生みます。

クラスAサーフェシングが講座ではなく現場で身につく技能である理由、そして同じ指示を二人のモデラーに出すと目に見えて品質の違うデータが返ってくる理由はここにあります。道具は同じです。配置の判断が違うのです。

PSH Design内製のヘリコプター・キャノピーのクラスA面解析。ゼブラ縞の上にパッチ境界とキャラクターラインを重ねて表示

PSH Design内製のキャノピーに、パッチ境界をゼブラの上から重ねたもの。境界はすべて形に沿っており、ハイライトの通り道を横切るものは一本もありません。

 

公差 — 万能の数値が存在しない理由

クラスAを定義する単一の公差というものはありません。お客様のプログラムを聞かずに一つの数字を出す供給者は、推測で答えています。

完成車メーカーの面基準が実際に規定しているのは、文脈によって変わる数値の集合です。

  • 面の区分ごと — A面(見えて触れる)、B面(見えるが二次的)、C面(構造・隠れる)。見える度合いが上がるほど公差は厳しくなります。
  • 場所ごと — 外装パネル、シボのある内装面、シボのない内装面。
  • 形状の種類ごと — 主要ブレンド、二次フィレット、ディテールフィレット、見切り部のエッジ。それぞれ固有の数値を持ちます。

これらの基準は各メーカー固有のもので、公開資料からではなく業界の内側で身につけるものです。実務上、発注される側にとって意味することは一つです。基準書を一緒にお送りください。その数値で構築し、その数値に対して報告します。基準が存在しない場合 — 自動車以外では普通のことです — こちらから一式を提案し、書面で明示し、その基準にデータを合わせます。

スキャンデータからのクラスA

クラスAの仕事がすべてスタイリングモデルから始まるわけではありません。かなりの割合が現物から始まります。クレイ、切削した試作、競合部品、あるいは金型は存在するがデータが存在しない部品です。

スキャンは答えではありません。スキャンデータには必ずノイズが乗り、現物そのものにも不完全さがあります。手仕上げのクレイは数学的な形ではありません。それを忠実に再現すれば、その欠点がひとつ残らず量産用の幾何形状に写ります。

技能とは、意図された形と偶然を切り分けることです。スキャンデータから作業するサーフェスエンジニアは、デザイナーが粘った断面、ショルダーの通り方といった設計の性格を寸分違わず保ちながら、親指の跡、スキャナのアーティファクト、あるいは暑かった午後の影響で生じたうねりを退けなければなりません。スキャンに公差内で合わせるのは簡単な半分です。どの偏差を尊重し、どれを捨てるかを知っていることが、仕事の中身です。

私どものリバースエンジニアリングとクラスAが交わるのがここで、この二つを二社に分けず同じ建物に置いている理由でもあります。

クラスAを適用する時期 — 早すぎる場合

クラスAモデリングは、設計上ゆっくりで、手順を踏むものです。形が確定してからの工程です。

コンセプト段階では形はまだ動いています。日単位で動くこともあります。そこに完全なクラスAの規律を持ち込んでも、面は作り直されるので労力が無駄になります。代わりに大きく効くのは逆のことです。クラスAの論理を意識してコンセプトデータを作っておくこと — 筋の通った断面構成、整ったトポロジー、最初から形に沿った境界です。そう作られたコンセプトデータは数日でクラスAチームに渡ります。そうでないものは数週間かかるか、一から作り直しになります。

この引き継ぎは、プログラムの中で最も過小評価されているコストです。そして最も簡単に取り除けるコストでもあります。

受け取ったクラスAデータの確かめ方

この節は、サーフェスを作る側ではなく受け取る側のためのものです。デザインディレクター、技術責任者、納品を受け入れるかどうかを判断する開発マネージャーの方に向けています。

サーフェスの専門家である必要はありません。次の五つが存在することを求め、実際に見てください。

  1. 重要な境界を横切るゼブラ、または反射画像。見栄えのレンダリングではありません。ショルダー、ルーフレール、ドアの見切りを横切る縞をご指定ください。折れは誰の目にも見えます。
  2. 継ぎ目における曲率コーム。跳ねではなく段になっていること。
  3. 連続性レポート。どの境界がG2で、どこがG3で、どの公差数値に対してのものかが明記されていること。
  4. パッチ配置そのものが見える図。ワイヤーフレームまたはパッチ別表示。ハイライトの通り道を横切る境界や、滑らかな領域に小さなパッチが密集している様子は、どんなレポートよりも多くを語ります。
  5. モデルチェック。重複面なし、極小パッチなし、意図しない隙間なしの確認。

供給者がこれらを出せないのであれば、それ自体が判定結果です。本当にクラスA基準で構築されたデータは、これらの証拠が作業の副産物として自然に出てきます。そう作られていないサーフェスに対して後から用意するのは難しく、だからこそこの要求が有効なのです。

よくあるご質問

クラスAサーフェスとは何ですか。
曲率連続性 — 基準はG2、必要な箇所はG3 — で構築され、形状に沿ったパッチ構造を持ち、寸法公差だけでなくゼブラ縞や曲率コームといった視覚解析で検証されたサーフェスです。製品の見える形を担うサーフェスの集合を指します。

クラスAとStrak、A面、Aクラスは同じものですか。
同じです。一つの分野に対する地域やスタジオごとの呼び名です。

G2とG3の違いは何ですか。
G2は継ぎ目で隣接面の曲率が一致することで、反射が途切れずに越えます。G3は曲率の変化率まで一致することで、大きなパネルに残りうるハイライトのわずかなちらつきが消えます。通常の基準はG2、G3は費用に見合う箇所に指定します。

一般的なCADソフトでクラスAサーフェスは作れますか。
数値を満たすサーフェスは作れます。汎用CADに不足しているのは、この分野が依存している評価機能と制御点の直接編集です。この作業がAliasとICEM Surf — そのために作られた二つのツール — で行われるのはそのためです。

受け取ったデータが本当にクラスAかどうか、どう判断すればよいですか。
境界を横切るゼブラ画像、継ぎ目の曲率コーム、公差を明記した連続性レポート、パッチ配置の図、モデルチェックをご請求ください。前節をご参照ください。

既存のCADをクラスA品質に引き上げられますか。
多くの場合は可能ですが、通常は修理ではなく見える面の再構築になります。まずデータを拝見し、どちらであるかをお見積り前にお伝えします。

クラスAは自動車以外にも適用されますか。
します。面が光の下でどう読まれるかに価値が左右される製品 — 高級家電、民生用電子機器、航空機や鉄道車両の内装、船舶 — は同じ分野の技能を使います。多くの場合、社内基準を持たないまま必要としています。

関連ページ

この記事は基準そのものを扱っています。隣接する二つをあわせてご覧ください。クラスAサーフェシング受託では作業の進め方と納品物を、リバースエンジニアリング受託ではスキャンデータからネイティブCADまでの流れをご説明しています。

PSH Designは17年以上、AliasとICEM Surfで、完成車メーカーの受け入れ基準に合わせてクラスAサーフェスを構築してきました。スタイリングデータから、スキャンデータから、そして他社のCADからも。

日本語でのご連絡と書類のやり取りも承ります。まずは一点、送ってデータをご確認ください:https://pshdesign.com/rfq-free-test-project/

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📚 参考資料

1. Continuity G0, G1, G2, G3
Autodesk — Alias ヘルプ。幾何連続性の定義、構築公差、本文で挙げた評価ツールの出典。
リンク:help.autodesk.com — Continuity G0 G1 G2 G3

2. CATIA ICEM Surf — Advanced Surface Modelling
Dassault Systèmes。クラスAの基準機として使われる明示的サーフェスモデラーの製品資料。
リンク:3ds.com — CATIA ICEM Surf

3. Metrology of Class A Surfaces in Automotive Manufacturing
Industrial Inspection & Analysis(IIA)。クラスA面が現物になった後、どう測定・検証されるか。
リンク:industrial-ia.com — Metrology of Class A Surfaces

 

PSH Design

 

PSH Design

17+ years of CAS, Class A Surfacing, CAD and Reverse Engineering for Automotive, Aerospace, Medical and Industrial, to OEM standard.

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