測定会社のためのリバースエンジニアリング外注 — 測定は御社、CADは当社

測定は御社のチーム、CADはパートナー。CMMデータやスキャンメッシュを、ネイティブのパラメトリックモデル、型用ネガティブCAD、クラスAサーフェス、図面へ。納品は御社の名義で。PSHは2009年以来、測定会社向けだけで年間約300点、約3,000エンジニアリング時間。

リバースエンジニアリングのパートナーは、測定会社の「CAD側」を担います。測定会社が部品を測り、パートナーがCMMデータやスキャンメッシュをネイティブCADに仕上げ、測定会社の名前で納品します。CAD技術者を採用せず、ライセンスも持たずに、測定からCADまでを一括で受注できるようになります。PSH Designは2009年からこの形で仕事をしており、年間約300部品・約3,000設計時間、作り直しになった部品はありません。

「測ってもらったついでに、CADデータも出せますか?」— お客様からこう聞かれる日は必ず来ます。断れば、お客様は御社の測定レポートを持って別の会社を探します。引き受けても社内にできる人がいなければ、案件は止まります。

日本でも、受託測定会社がスキャンからCAD化までを一貫して請け負うケースは多くあります。ただしCAD化は工数が読みにくく、測定よりも熟練者の手を取られがちです。このページでは、CAD側をPSHに任せる場合の分担、進め方、費用、そして測定会社を守る条件を具体的にまとめます。

分担:測定会社が持つもの、PSHが作るもの

協業の全体像は、この表ひとつに収まります。

測定会社が持つもの PSHが作るもの
測定 — スキャン、CMM、元データ モデル:パラメトリック、ハイブリッド、現物忠実型NURBS
お客様、見積、請求 エンドユーザーが使うCADシステムのネイティブデータ(STEP併送)
お客様に渡るすべての書類に載る社名 2D図面と偏差レポート — 御社名で、御社の図面規格で
案件を受けるかどうかの判断 24時間以内に御社へ見積

当社のお客様は測定会社であり、その先のお客様ではありません。エンドユーザーに連絡することも、ファイルに当社名が出ることも、後から直接仕事を受けることもありません。

測定は御社に残ります。当社もハノイに3Dスキャナーを持ち、スキャン技術にも通じていますが、海外のお客様の場合、部品をハノイへ送って戻すより、御社またはその近くでスキャンする方が早く、安く済みます。例外は、返却不要の部品がまとまってある場合だけです。測定は御社の最も得意な仕事であり、お客様が御社を選んだ理由でもあります。

CAD側があれば、測定会社が新たに売れるもの

1. 図面のない部品。古い設備、廃業した仕入先、失われた設計データ。お客様の手元には現物があり、もう一度作るためのデータが必要です。最も多い依頼です。

2. 保管済みのCMMデータからのCAD化。多くの測定会社には、何年分ものCMM測定レポートが保管されています。その一つひとつが、CADモデルの元になり得ます。スキャンがなくても、CMMの断面点だけで、重要な形状を断面がカバーしていれば、完全なパラメトリックモデルを作れます。お客様にとっては、すでに費用を払って測ったデータから生まれる新しいサービスです。

CMMの断面点だけで記録された銃床と、その点群からPSH Designが作成したパラメトリックCADモデル
スキャンを使わず、CMMの断面点だけから作り直した銃床。CMM測定レポートがあれば、すでに入力データはそろっています。CMMデータで送るもの

3. 金型、治具、設計変更。既存部品の金型を作りたい、あるいは寸法を一か所変えてから再製作したい。そのためには、スキャンメッシュではなく、編集できるモデルが必要です。

4. モデルが現物と一致していることの証明。当社が納めるモデルには、すべて元のスキャンまたはCMMデータに対する偏差レポートが付きます。御社がお客様に渡すのは、CADファイルだけでなく、そのファイルが現物と合っている根拠です。品質マネジメントの下で動くお客様が、必ず求める記録です。

対象は幅広く、数ミリの部品から、歯車、金型、航空宇宙部品、重機、ヘリコプター1機、全長10mの航空機、全長80mの船体まで扱ってきました。

PSH Designがリバースエンジニアリングした全長80mの船体:スキャンデータ、スキャン上に作成した船体サーフェス、スキャンとの偏差チェック
全長80mの船体:スキャンデータ、その上に作成したサーフェス、スキャンとの偏差マップ。数ミリの部品でも、この大きさでも、最後の確認は同じです。

難しいのはソフトウェアではなく、人

当社はGeomagic Design X、PolyWorks、QUICKSURFACEを使い、SolidWorks、Creo、CATIA、NX、Inventor、Solid Edge、AutoCAD、Revitのネイティブデータで納品します。同じソフトウェアは、どの会社でも購入できます。ライセンスと一緒に買えないのは、それを使う人の判断力です。

リバースエンジニアリングソフトからCADへモデルを自動変換すると、面と面の間の小さな誤差が隠れたまま残ることがよくあります。偏差チェックは通ります。問題が表に出るのは、エンドユーザーがフィレットを作り直したとき、形状を追加したとき、金型を削ったときです。測定会社にとって、これは最悪のエラーの出方です — お客様のところで、御社の名前の下で。

これを防ぐには、リバースエンジニアリングソフト、納品先のCADシステム、サーフェスモデリングのすべてに通じ、元の設計者と同じやり方で部品を組み立て直せる一人の技術者が必要です。その理由と、すべての会社が本当のネイティブデータを納品できるわけではない理由は、CADファイル形式のガイドで解説しています。

目的に合った精度

パラメトリックモデルは設計意図に沿って作り直します。公称寸法、正しい平面、同心の穴。そのためスキャンとの差は通常0.1mm程度です。現物再現型のNURBSモデルは現物に約0.025mmで追従し、きれいなスキャンなら0.01mmまで合わせられます。パラメトリックの数値が大きいのは意図的です。摩耗や変形を高い精度で写し取れば、その欠陥が次のロットにそのまま入り込みます。多くの工業部品では、±0.1mmを大きく下回ってスキャンに合わせることが役立つのは、摩耗の比較など限られた場面だけです。偏差の数値の読み方は、スキャンデータのCAD化で解説しています。

案件の進め方

  1. データを送っていただく — STLメッシュ(最も多い形式です)、点群、CMMの点データ、あれば部品の写真も。多くの場合、データは御社が指定するクラウドストレージに置いたまま、当社がそこから作業します。対応形式の一覧はCADファイル形式のガイドにあります。
  2. スキャンの質が悪くても、まず送ってください。欠け、ノイズ、位置合わせのずれ — 当社でデータを評価し、何ができるかをお伝えします。多くの場合、スキャンで足りない部分は経験で補えます。
  3. 見積前に4つのことを確認します — 単位、座標系とデータム、機能面はどこか、エンドユーザーのCADシステムは何か。
  4. 24時間以内に、部品ごとの見積をお出しします。価格は、必要な出力と部品の難易度・複雑さで決まるため、データを見てから見積もります。
  5. モデルを作成します。日本とベトナムの時差は2時間です。ほぼ同じ営業時間で動くため、午前中のご質問には午前中にお答えでき、確認待ちで一日を失うことがありません。
  6. 元データと照合し、偏差レポートを作成します。
  7. 御社名で納品します — ネイティブ、STEP、必要に応じてJISまたは御社規格の2D図面。
  8. 納めた仕事は生涯保証です。当社が作ったものに誤りがあれば、納品からどれだけ経っていても無償で修正します。

標準的な設計時間 — 暦日ではなく、作業時間です。

部品 標準的な設計時間
歯車1点 12時間
機械加工部品1点 約16時間
中型鋳造部品1点 16時間
金型一式 48時間

全体の平均は1部品あたり約10時間です。当社には経験豊富なエンジニアが12名おり、1日約10部品まで対応できます。大口案件を受注しても、断ったり納期を延ばしたりする必要はありません。

技術者を採用する場合との費用比較

当社の料金は、測定会社が自社でCAD設計者を抱える場合の約70%です。しかもこの比較には、この仕事ができるまでに一人を育てる3〜5年と、仕事が波のように来るのに一年中払い続ける最低2種類のCADライセンスが含まれていません。

最低発注数量 なし — 1部品から承ります
数量 大口は割引あり
請求 月末締めで、その月に完了した作業を一括請求
支払い 請求日から30日以内
新たな設計 納品後にお客様から依頼された変更は、新しい案件として見積もります。当社の作業の誤りは、生涯無償で修正します

測定会社を守る条件

秘密保持契約 ファイルを受け取る前に締結。入力する測定データと、作成したCADの両方が対象。御社とお客様の契約に合わせることも可能です
社名を出さない納品 ファイル、図面、レポートに当社名は入りません。エンドユーザーへの連絡もしません
所有権 モデルは御社と御社のお客様のものです。当社の実績紹介には使いません
データの保管場所 多くの場合、お客様が指定するクラウドストレージ。当社側への複製は、お客様の許可がある場合のみ
保管期間 当社が複製を持つ場合、保証対応のため標準で約5年。秘密保持契約やお客様の規定で求められれば、案件終了時に削除します
保証 すべてのモデルに生涯保証
最初の1部品 当社負担で作成。取引条件の前に、品質の基準を確かめていただけます

保管について一点。ご依頼によりデータを削除した後でも、元のスキャンデータや新しいスキャンから作り直すことができます。生涯保証は、当社がファイルを持っているかどうかに左右されません。

お客様から求められる3種類の出力

リバースエンジニアリングの外注で起きる不満の多くは、モデリングの質ではなく、出力の種類の選び間違いから生まれます。

出力 内容 使う場面
パラメトリック フィーチャーツリーと編集可能な寸法を持つソリッド 設計変更、機械加工、金型製作
ハイブリッド 幾何形状はパラメトリック、自由曲面はNURBSサーフェス 機械的な面と自由曲面の両方を持つ部品
現物忠実型NURBS 変形も含めて現物に密着するサーフェス 記録保存、検査、使用中の部品との比較
リバースエンジニアリングの3種類の出力データ:パラメトリック、ハイブリッド、現物忠実型NURBS

それぞれの出力が持つ情報と、対応するファイル形式はCADファイル形式のガイドにまとめています。

10年後の姿

米国の測定会社2社は、2014年と2015年から途切れることなく当社と仕事を続けています。測定は彼らが行い、お客様も彼らのもの、納品も彼らの名前です。CADは当社を通り、彼らのお客様は一か所から完結した仕事を受け取ります。

ほかにも、米国、カナダ、ドイツ、スウェーデン、オーストリア、オーストラリアの測定会社と取引しています。2009年から英語を主な業務言語としており、日本語とドイツ語でのやり取りにも対応します。

年間約300部品を2009年から続けてきた中で、作り直しを求められた部品も、金型・治具・加工段取りといった後工程で不具合を起こした部品もありません。納品後の調整 — お客様からの寸法追加や、設計変更に伴う半径の変更 — は不具合には数えません。使われ続けているモデルにとって、それは通常の仕事です。

その実績から一件、このページの内容そのものの例を紹介します。

ある検査会社が、測定だけでは完結しない部品案件を受注しました。当社はCMMデータをCAD形状に変換し、元の仕様との偏差を解析し、サーフェスを航空宇宙レベルの連続性に仕上げ、技術資料を作成しました。検査会社は、CAD作業を他社に回すことなく、すべてを自社の名前で納品しました。

よくある質問

測定会社にとって、リバースエンジニアリングのパートナーは何をしてくれますか?

測定会社のスキャンデータやCMMデータをネイティブCADに仕上げ、測定会社の名前で納品します。測定会社はCAD技術者を採用せずにCAD化を販売できます。PSH Designは2009年からこの形で、年間約300部品を担当しています。

CAD技術者を採用する場合と比べて、外注の費用はどのくらいですか?

PSH Designの料金は、自社でCAD設計者を抱える場合の約70%です。この比較には、3〜5年の育成期間と、最低2種類のCADライセンス費用が含まれていません。最低発注数量はなく、大口は割引があります。

見積はどのくらいで出ますか?

24時間以内です。PSH Designは、必要な出力と部品の複雑さでデータを見てから部品ごとに見積もります。定価表はなく、最低発注数量もありません。

急な大口案件にも対応できますか?

はい。PSH Designには経験豊富なエンジニアが12名おり、1日約10部品まで対応できます。大口案件を受注しても、断ったり納期を延ばしたりする必要はありません。大口は割引があります。

外注したことは、エンドユーザーに分かりますか?

分かりません。ファイル、2D図面、偏差レポートはすべて測定会社の名前と図面規格で作成し、PSH Designがエンドユーザーに連絡したり、直接仕事を受けたりすることはありません。

日本語でやり取りできますか?

はい。日本語でのご連絡と書類のやり取りに対応します。PSH Designは2009年から英語を主な業務言語としており、ドイツ語にも対応します。日本とベトナムの時差は2時間で、ほぼ同じ営業時間で動けます。

データはどこに保管されますか?

多くの場合、お客様が指定するクラウドストレージです。PSH Designはファイル受領前に秘密保持契約を結び、当社側への複製はお客様の許可がある場合のみ、契約で求められれば案件終了時に削除します。

最初の案件の費用はいくらですか?

無料です。PSH Designは、新しいお客様の最初の1部品を当社負担で作成します。取引条件を決める前に、仕事の質を確かめていただけます。その後は月末締め、請求日から30日以内のお支払いです。

CMMデータ、質の悪いスキャン、図面規格、生涯保証についての質問は、リバースエンジニアリング受託サービスのページでもお答えしています。

まず1部品から

お客様から何度も頼まれているのに、まだ引き受けていない種類の部品を1点お送りください。当社負担で作成し、偏差レポートを付けて御社名で納品します。取引条件のお話は、仕事を見ていただいてからです。1部品の無料試作を依頼する →(フォームは英語ですが、日本語でご記入いただけます)

PSH Designのリバースエンジニアリング

こんな方に:測定・CMM・3Dスキャンの会社の方、スキャンやCMMのデータをネイティブのパラメトリックCADにしたい設計・生産技術部門の方。向いていない方:3Dプリント用の簡易メッシュや、エンジニアリングの意図を伴わないモデリングだけが必要な方。

この順番でお読みください

  1. スキャンデータのCAD化 — 作り方と納品形式
  2. CADファイル形式の種類と選び方
  3. CADを社内で持つか、外注するか
  4. リバースエンジニアリング受託サービス

言葉ではなく、仕事で判断してください。スキャンデータ、CMMレポート、図面のどれかで1部品をお送りいただければ、当社負担で作成します →

執筆者

ブイ・ゴック・フーン(Bui Ngoc Phuong)

PSH Design 創業者 LinkedIn →

PSH Design

2009年創業。クラスAサーフェシング、リバースエンジニアリング、CAD設計、コンセプトデザインを、自動車・航空宇宙・医療・産業機械の分野に、OEM基準の品質でお届けしています。

この種の仕事は、説明するより見ていただくほうが早く伝わります。フォームは英語ですが、日本語でご記入いただけます。

まず1部品から →

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